ティファナ　in　Mexico　帰れるか？

２０年以上も前、ロサンゼルスに住んでいて子供も小さな頃のことでした。ロスから南に3.5時間走るとメキシコ国境となり、メキシコ側に入ってすぐティフアナ（Tijuana）という町があります。サンディエゴからであれば15分という近さです。メキシコに行ってお買い物をして日帰りで帰ってくるところとして薦められました。「簡単に出入りできるよ」と言われ気楽に出かけて行きました。

カリフォルニアはメキシコ移民が多く、スペイン語しか話せない人達にどう英語を教育し同化していくか悩んでいる州です。不法移民も多く、その取り締まりにも悩まされています。こういった移民・不法移民の安い労働力にアメリカ経済が支えられているのも皮肉な現実です。びっくりするのは南に向かう高速道路の脇に立つ看板です。親子で道路を走り渡る絵が描かれていて、不法移民が高速を横切るようなことがあるので注意を促しているわけです。ビュンビュン車の走る高速で、そんなことになったらどうしようもないなとビビリながら走ります。まさにメキシコとアメリカは陸続きなんです。

アメリカからメキシコに行くのは本当に簡単でした。パスポートをちらっと見せるだけでした。メキシコとはいえ、お店で米ドルはそのまま使えますし、英語も通じます。飯を食べてちょっとした買い物をして、帰る時間になりました。アメリカにもどる方はたいへんです。外国人は入国審査になるわけですから仕方ないじゃんとノンビリかまえて列にならんでいたのですが、妻のところでひっかかりました。見たら彼女のパスポートにビザがないのです。パスポートを書き換えたため新しいほうのパスポートをもってきたのですが、ビザは古いほうのパスポートに押してあったというわけです。家族4人ともパスポートの発行タイミングが違うので他の３人はビザがあり妻だけが入国できないということです。

妻はＥ２ビザ(就業ビザ)のdependent、つまり私のＥ２ビザがあってその帯同者として妻と子供のビザが出ている。だから妻のパスポートには件の事情によるミスでビザがないが、子供達にはＥ２ビザのdependentが押されているではないか。わかるでしょ！分かって！お願い！とやり取りはしたものの受け入れられない。可能な選択は、私がロスの自宅に戻り古いほうのパスポートを取ってくるか（これは往復で７時間かかる）それとも罰金を払うかだという。（何という名目であったのか覚えていないが、罰金と言うのもへんだから、たぶんbailとか保証金とかいうものだったのだろう。金を払えばＯＫというのはどういう理屈だったのか？金をはらえば行方不明になってたり違法移民になったりしない。あるいは金を払えるという事は身元保証そのもということだろうか。この時の書類はもう見つからないのが残念。）

　これが一体いくらだったのか覚えていない。でも、７時間かけてティワナとロスを往復するかと真剣に考えるような金額だった。お買いもの金額とこの金とどっちの方が上だったのか？ここから得られる教訓は、「パスポートとビザはセットにして持っていなければいけない」いうことです。まぁ海外渡航者にとって、そんなことは常識なのでしょう。やはり、メキシコは遠かった！

平成24年2月18日 

参考記事
　　米国の不法移民・・・http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/535301/
　　　ティファナについて・・・・・　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%95%E3%82%A2%E3%83%8A

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