フリーマーケット?

実は、私はフリーマーケットというのは free marketだと思っていた。恥ずかしい次第だが、多くの人が好き勝手に家庭から不用品を持ち寄って売り買いする場、自由市場みたいに思っていたわけある。アメリカに住んでいる間もそう思っていた。各家庭が自分の不用品をガレージの前で売るガレージ・セールの拡大版としてフリーマーケット(自由市場=free market )があるのだろうくらいに思っていたわけである。

それが日本に帰国してのある日、古物市のことをどうして「蚤の市」と呼ぶのだろうと思って辞書をチェックした。いくら古着を売っているとはいえ、「蚤の市というまで開き直るか?」という疑問である。ここで初めてフリーマーケットというのは free marketではなくflea market=蚤の市だとわかって全く驚いた。「蚤の市」flea marketは、フランス語marché aux pucesの訳だということであるから、日本でも「蚤の市」、アメリカでもflea marketだと共通に訳したことになる。遠い昔から蚤の市という言葉はあったように思うから、昔から世界はつながっていたのである。おまけに、日本人共通の弱点と言われる r と l の区別がつかないからこそ、free market もflea market も区別がつかないわけである。自分がこの区別がつかないというのを認識していたので気をつけてはいたのだが、本当に「やってしまったなあ」ということになったわけである。

私はずいぶん長い年月を経て、「フリーマーケット」、「flea market、 「蚤の市」という3つの単語を結び付けることができたわけであるが、カタカナというのが案外曲者である。 r と l の区別なんて元々ないのだから、フリーマーケットはfree market でもflea market でも結びつけられるのである悪いのは俺じゃなくてカタカナだ! セコハンは second  hand であり、メリケン波止場のメリケンは American  であり、 ワイシャツはwhite shirtsがワイシャツとなり、Yシャツとなっているなんて全く雑学の世界じゃないかと開き直ってみたくなる。


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